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人生で一番○○だったこと   ~おかいものじょうず~

Category : 「人生で一番○○だったこと」
こんばんは。前回のエントリは「目はたいせつに」ということでしたが、
日々ネットサーフィンに次ぐネットサーフィンで目を酷使している原田です。ただの出不精です。


今回は、私の「人生で一番おトクだった買い物」
と、それにまつわるお話をしたいなあと思います。

私の人生で一番おトクだった買い物、それはこちら

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『遠藤周作文学全集』
遠藤周作。このよくわからない作家についての募る思いは、まあ後においといて。

この全集は、全11巻。箱入りの上製本です。これを私は去年の冬、11冊いっきに買いました。
生意気な大人買い。でも、いかんせん安かったのです。
なんと全部で2000円。
ですが、これは元からこの値段だったわけではありません。
古書なのです。
この全集が発売されたのは1975年。
当時の値段は、1冊1500円×11冊=16500円。
1975年における「16500円」の価値が今でいういくらくらいなのかはわかりませんが、
きっと今よりも高かっただろうと思います。
それを考えると、16500円→2000円
という大幅プライスダウンは、私の数少ない大きな買い物の中でも、一番おトクだった。というわけなのです。


私はこの本を、神保町のとある古本屋で、店頭で売り出される前に、つまり他のどのお客さんの目にも留まらぬうちに、買うことができました。
しかも2000円というのは社割で、書店の社長が原田用にテキトーにつけた値段です(なので本来の売値は不明です、笑)

私はそこでバイトをしていたのです。(諸事情により今はやめてしまいました)


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ここは書店の2階、事務所兼書庫。
崩れ落ちそうな本の山に囲まれて、私は在庫管理や本の掃除、梱包をしていました。

ここで古書業界のおもしろエピソードでも話しはじめるのが、ブログの自然な流れかと思います

が、今はそれよりもなによりも遠藤周作の話がしたい。させろ、いや、させてください。
周作先生の作品の話から私の個人的な思い入れまで、ズサーッとお話させていただきます。

遠藤周作は、大正時代に生まれ平成8年に病没した日本の小説家です。
一般的には、安岡章太郎・吉行淳之介らとともに「第三の新人」として
日本の戦後の文学界で活躍した作家として位置付けられていて、『白い人』という作品で芥川賞も受賞しています。
代表作は『海と毒薬』『沈黙』『深い河』など。たくさんの著書があるのですが、お堅い純文学から、週刊誌に掲載されるような軽い娯楽作品、
おもしろおかしいエッセイまで、多様な側面を持っていました。

そんな先生が著作の中で一貫して描き、追究していたのは、「日本人に合ったキリスト教」。

先生は幼いころ母親と共にカトリックの洗礼をうけたクリスチャンで、
自分が望んだわけでもないのに「無理矢理着せられた、ぶかぶかの洋服」であるキリスト教と自分(または西洋的キリスト教と日本人の生まれ持った感性)との間の距離感やすれ違いを「自分に合うように仕立てなおそう」と葛藤し、
西洋のキリスト教の教えにとらわれない、自分なりの「神様」像を求め続けました。

…まあこれだけ聞くとお堅いお堅い。

私が遠藤周作を知ったのは高校生のとき。
友人が勧めてくれて、少しだけ読んでみたのですが、そのときはサッパリ興味がわかず
途中で読むのをやめてしまいました。

ところが、大学生になってから再び読んでみると、雷に撃たれたような衝撃を受け
何事も、出会いはタイミングが肝心なのだなあと実感しました。
それからというもの、周作先生にはぞっこんなのです。(表現が古い)

ちなみに、そのとき読んだ作品は『沈黙』。
日本の鎖国時代に、密航して日本にやってきた西洋の宣教師が
政府の目を避けて潜伏していたキリシタンとともに仲間に裏切られた末に捕えられ、拷問を受け、ついには踏み絵を踏んで棄教してしまうという
遠藤作品の中でもかなり暗い作品です。
こんな、一見救いようのないような物語に私が惹かれてしまった理由はとても私の文章であらわせるものではないのですが
今まで全く関心のなかった、宗教だ神だ、という話が
この作品によってグッと心に迫るようになり
とても不思議な読書体験をしたのでした。

この本に限らず周作先生の作品は「神様」や「キリスト」をどうとらえるか
が主題になっているのですが
先生のすてきなところは
それを直接「キリスト教文学」としてあからさまにとりあげて考えを主張するのではなく
読者にやさしく語りかけ、読者の抱える苦しみにまで、その物語・そこで描くキリストを通して寄り添っているところ。
「弱くてもいいんだよ」と言ってくれているような。先生の自省や迷いもぜんぶ文章にしているような。
そんなところです。

その優しさに強く惹かれ、今も夢中になって読んでいます。

ああ、これで遠藤文学の良さがみなさんに伝わったでしょうか。歯がゆいなあ。
でも、これだけ一人の作家を大好きになって、語りたい!と思えることは
本当にうれしいことです。

一昨年と去年、遠藤周作を記念した文学館(長崎県)に行ったり
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その他にも、おっかけファンのようにゆかりの地をめぐっては
グフフ…と、独りニヤついています

ひとに
「好きな作家はだれ?」と聞かれ、遠藤周作の名前を出すと
地味だな~
とか
暗いな~(苦笑)
とか
・・・オッサンだな(嘲笑)
とか
言われますが
もう慣れました!(満面の笑み)


これからも、全集にとどまることなく
初版本や署名入りの古書などもぐいぐい蒐集して
いい買い物をしていきたいなと思っている次第です。

つぎは小林あおいちゃん。
一転してサワヤカなエントリ、期待してます
では。
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