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リビング

Category : 写真deリレー
こんばんは。石田です。

今日は体育の日だったみたいですね。まぁ基本引きこもりな私には関係ないですが。

それでは本題にいきましょう。

お題はリビングでした。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


リビング





私は大学生だ。来年卒業する。

今は都内に住んでいる。大学入学を機に上京してきた。

別に実家からは通えない距離でもないのだが、色々と理由をつけて両親を説得し、一人暮らしをさせてもらっている。



実家は二階建ての一軒家である。家は特別広いわけでも狭いわけでもない、ごくごく一般的な大きさだ。一階に台所やお風呂、父親の部屋、物置、リビングなどがあって、二階に母、兄、私、それぞれの部屋がある。


私は、実家の中で苦手な場所がある。リビングだ。


リビングといえば「食卓」とか、「家族団らん」とか、多くの人間は温かい言葉を連想するのではないだろうか。

しかし私にとってのリビングは、楽しい記憶よりも辛い記憶の方が強く脳内に残っていて、あまり居心地のいい場所ではない。例えば、

何か悪さをしてお説教されるとき、
学校のテストで悪い点を取って怒られるとき、
進路について話し合うとき、
一人暮らしをしたいと懇願するとき、

いつもこのリビングが舞台だった。


つまり、親と子どもが何か真面目な話をするときの場所が、我が家ではいつもリビングであるということだ。


通常の我が家のリビングは、食事などを通し家族が集う大切な場所として機能している。
別に私は家族を嫌っているわけではないし、家庭内はそれなりに円満だ。両親の間に「離婚の危機!」的な空気もない。

しかし、たまに両親と衝突するときには、反対されたり、怒鳴られたり、泣いたり、怒ったり、時にはビンタを食らったり、そんな記憶が思い出されるから、私はリビングにいると無意識に緊張してしまう。だから私は実家に暮らしていた頃、食事の時以外は極力リビングには近づこうとしなかった。



大学に入学してしばらくは親と真剣に話すような話題がなく、しかも一人暮らしを始めて実家にいる時間が激減したおかげもあって、リビングに対する抵抗感は和らぎつつあった。しかし、私が4年生になってから初めて帰省した日の夕飯の食卓で、リビングでの過去の嫌な記憶が一気に蘇ってきた。


「お前、卒業したらどうするんだ。」


食事の最中、突然父が私にそう聞いてきたのだ。父親の口調からして、真面目に話をしようとしているとすぐに察しがついた。

心拍数が急に上がる。

大学の最終学年にもなった娘を持つ父として、そのような質問を投げかけるのは自然なことだ。まぁ私もいずれ聞かれるだろうと覚悟はしていたが、正直受け答えに困った。


私には、やりたいことがある。しかしそれについて父に打ち明けたことはない。反対されることは明らかなのだから。以前母には少しだけ話したことがあるが、彼女は「いずれ諦めるだろう」と軽く考えているようだ。

要領のいい二つ上の兄は学生時代早々に内定を取り就活を終えた。両親はその様子に安心し、卒業後の進路について彼と深く話し合おうとはしていなかった。

昔兄と私の二人で話をした時、彼はダンスで食っていきたいとかなんとか言っていたが、その夢はどこに行ったのだろうか。まぁ頭の良い兄のことだから何かしら彼なりの作戦を隠し持っているのかもしれない。


兄の話はどうでもいいが、とにかく私の場合は違う。私がやりたいことは就活を経て会社に入社するとかそういうことではない。その「やりたいこと」の中身をここで明記するのはなんとなく嫌なのでしないが、とりあえず日本の大学生の多くが経験する就活という過程を経ないということだけは確かである。

現在就活していない私を両親はひどく心配している。普通といえば普通の反応だろう。

しかし私にだって考えがある。


このリビングで両親と対峙する日は近い。

一人暮らしを懇願した時にはなんとか上手くいったが、今回は少し自信がない。

彼らに打ち負かされないためには、色々と作戦を練る必要がある。

私は準備に取り掛かった。

その準備はまるで、戦闘の用意をしているようだった。



そう、リビングは私にとって戦場でもある。相手はもちろん両親。



いつも彼らとの戦いの前には作戦を練りに練って、武器となる証拠やデータも必死にかき集めてきた。会話のやり取りのシミュレーションも何百回とした。


―時間経過―


両親との戦闘を覚悟してから1週間が経った。

この話をするために、今日私はわざわざ実家に帰ってきたのだ。

今回も同じ、いや今回は今まで以上に力を注いだ。あとは気持ちの問題だ。




夕食後のリビング。いつもこの時間リビングでは両親がテレビを観ながらくつろいでいる。



私は今、リビングに続くドアの前に立っている。



本当は怖くて逃げ出したいけれど、奥歯を噛み締めてその弱気を押し殺す。




ゆっくりと深呼吸をして、ドアノブに手をかけた。




私と両親の戦闘が今、リビングで始まる―









―ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピッ・・・・・



うるさい。何だこの音。でも聞き覚えがある。

あ、そうだ、実家の電子レンジの音だ。


と思いながら目を覚ます。



そうだ。私昨日久々に実家に帰って来て、お風呂から上がって、リビングでテレビ観ながらうとうとして・・・


リビングのすぐ近くにある台所では母親が忙しそうに料理をしている。多分朝食の用意だろう。焼きたてのトーストの匂いがしてくる。

もう朝なのか。ソファーで寝たものだから身体が痛い。起き上がるのを諦めようか迷う。

それにしても懐かしい夢をみたものだ。



「あんた今日朝から仕事あるんでしょ、さっさと起きて準備しなさい。」



母親が急かす。確かに、もうそろそろ急がねば危険な時間だ。



急いで身支度を済ませ食事をしていると、朝の家事がひと段落着いた母親がマグカップを片手に私の向かいの席に座りながら声を掛けてくる。



「あんたがやるって決めたことなんだからね。ちゃんと納得出来るとこまでやり通しなさい。じゃないとお父さんも泣くわよ。」



父親はまだ起きてこない。今日は土曜日で、普通の会社員であれば休みなのだから仕方ない。休日の朝くらいそっとしておこう。




昨日みた懐かしい夢からはもう3年くらい経っている。

あの時はほんとに色々辛かったが、あれがあったからこそ今の私があるのも事実だ。

あんなことがあっても以前とさほど変わらずに接してくれる両親にはもちろん感謝している。


「わかってるよ。ごちそうさま。」


そう言ってリビングを出て玄関へ向かう。



もう実家のリビングは怖くない。

・・・いや、本当はまだ少し緊張するが、あの頃ほどじゃない。私も少しは成長したのだろうか。


などと考えている間に玄関に移動し、靴も履き終えた。


「行ってきます。」


そう言って玄関のドアを開け、私は仕事に向かった。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


このお話はフィクションです(=_=)
実在する人物等々は全て架空のものです(=_=)



頑張ってひねり出したのがこんな感じのストーリーです。書いててすごい疲れた・・・。

とにかく次のお題写真を出して一刻もはやくこの場を去りたいと思います。

写真はこちら。


ぷりん

美味しそーですね。

徐コウさん、よろしくです。

それでは。
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