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たこやきのひみつ。

Category : 写真deリレー
こんばんは。
小林 葵です。前代未聞の胃痛でいま苦しんでます。痛いよー。

まったくいい文章が浮かばなかったので、早速写真リレーにうつります。







大好きだったタコちゃんが死んだ。

『そんな顔しないで』

そう言ってくれているようなタコちゃんの写真を前にして、私は腫れた目をハンカチで抑えながら、彼女が転校してきた小学5年生の頃を思い出し始めた。



『はじめまして!丸山タカコです!好きな食べ物はタコヤキです!よろしくお願いします!』



わあ、笑顔が素敵な子だなあ。
それがタコちゃんの第一印象。



「お前、タコヤキみたいな顔してるな!おっもしれ~」

クラスに必ず1人はいる、悪ガキンチョ。(もう彼の名前は忘れちゃったなあ)

『えぇっ嬉しい!私、好きな形はタコヤキの丸なの。私の顔も丸いのかな!』

「なっ別にそういう意味で言ったんじゃねぇよ!」

『そうなの!?ほらでも見て、タコヤキ~』



タコちゃんはそう言いながら、自分のほっぺを少し膨らませて手で軽くつまみ、得意げにタコヤキポーズを見せてくれた。

悪ガキは自分の意地悪に元気よく返されたもんだから、照れて小さくなっていた。



タコちゃんというあだ名も、転校してからすぐに呼ばれるようになった。

タコヤキが好きだからタコちゃん。タカコからカを取っても、タコになる。運命的だと騒いでいた。

後々タコちゃんに聞くと、別にタカコを短くしてタコになるなんて親も考えてなかったよーと笑っていた。





中学生になると仲いい子数人でタコヤキパーティーをした。

高校生になっても、少し成長したみんなでタコヤキパーティーをした。

タコちゃんの家で焼くタコヤキは格別に美味しかった。



タコちゃんとタコちゃんのお母さんで1からタコヤキの素を作って用意してくれた。

2人で台所に並ぶ姿は、ちょっぴり羨ましかった。

タコヤキを焼くあの鉄板も家庭用にしては大きめの立派なモノだった。

ここまで来ると信じ難かったけど、
タコちゃんのお父さんは趣味で縁日にタコヤキの屋台を出すことがあったらしい。



大学生になるとお互いに大学の友達と時間を過ごすことが増えた。

連絡を取り合うのは、年賀状と誕生日だけになった。

「これからもタコヤキ大好きなタコちゃんで居てね」
「今年こそ、また家にタコヤキ食べにきてね」

連絡は疎遠になりたくないけど、決まった時期に決まった言葉を交わすだけの仲になっていた。





大学を卒業して会社勤めを始めた頃、
タコちゃんから連絡がきた。

『おいしいタコヤキ屋さん見つけたから食べに行かない?』



久しぶりにも関わらず、心が跳ねるくらいドキドキと嬉しさでいっぱいになった。

会社の先輩にも「男か?」といじられながら、私はいつもより早めに仕事を切り上げて待ち合わせ場所へ向かった。



『急にごめんね!久しぶり!』



転校してきた時と変わらない、とびっきり可愛い笑顔のタコちゃんがいた。

会うなりすぐに、最近飲み会が多くて太ったんだよねとほっぺを膨らませて、あっ今のタコヤキみたいだったかなぁと一人で照れてみせた。

太ったという割には、スーツに着られているような…、職場でもきっとタコちゃんは人気者なんだろうなと思った。



タコちゃんに連れられて、タコヤキが美味しいという小さな居酒屋へ入った。

大学生になってから1度だけタコちゃんとお酒を飲んだっけ。



迷うことなくビールとタコヤキを頼み、さっ乾杯しますか、と笑顔でジョッキを持つ。

私たちは思い出話とタコヤキをお酒のつまみに、夢中で話続けた。



何時間ぐらい経ったのだろうか。

話したかったこと話せて、聞きたかったことも聞けたなと私が満足していた時に、タコちゃんが眠そうな目をこすりながら言った。


『タコヤキは外がカリっとして中がフワフワなのが1番おいしいよね』


みんなそうだろうけど家で作ろうとすると、なかなかそれが難しいんだよなあとブツブツ言っている。



ここのタコヤキも美味しいけど、タコちゃんの家には負けるね。

そう私が言うと、タコちゃんは目をうるっとさせながらありがとうと言った。



それから『タコちゃんがタコヤキが好きな理由』を話してくれた。

当たり前のように思ってたけど、そういえば知らなかった。理由があるとも思っていなかった。



きっかけはね、お母さんだったの。

小さい頃から転勤ばかりして、幼稚園でも小学校でも毎回新しい友達を作らなきゃいけなかった。

人見知りな性格だったから、友達を作るのは大変で、親の仕事のせいだ!って思ってひねくれちゃって

そんな時お母さんが、家でお友達を呼んでタコヤキパーティーをしましょう。って言い出したの。

それが面白いくらい楽しくてね。



ふふっとタコちゃんは笑った。

なるほど。お母さんと台所に並んでいた姿を思い出して、なんだか心が温かくなった。

タコちゃんは続けた。



最初は仲良くなるために必死だったけど、だんだんみんなのために美味しいタコヤキを作ろうって思ってきて。恥ずかしいけど、味付けもひっくり返すのも結構練習してたの。

それが普通にできるようになったら、今度はタコヤキを焼いてるみんなを見てるのが楽しくなってさ、普段はみんなバラバラのことしてたり、ちょっと喧嘩しちゃったりしてても、タコヤキを焼いてる時はみーんな目を丸くしてタコヤキに集中してるんだもん。ゲームばっかりやってた鈴木とかもさ、おかしかったなー。



そっか、タコちゃんをいじってたのは鈴木だ。

そんなくだらない気づきにあっけを取られていると、タコちゃんは言った。



『だからね、私にとって魔法の食べ物なんだ。』





お葬式の帰りに、中学の同級生みんなでタコヤキを食べに行かないかと誘われた。

私は用があると断って、1人であの居酒屋へ行った。



あの時を思い出すように、ビールとタコヤキを頼んだ。

タコヤキが熱くて泣いているのか、悲しくて泣いているのかはわからなかった。



のどをなかなか通らないタコヤキを必死に食べる。


あ、これタコ入ってない。


その時、タコちゃんのセリフが頭に浮かんだ。



タコが入ってないタコヤキは当たりだよ!



タコちゃん、ありがとう。

タコヤキを食べるたび、タコちゃんを思い出すんだろうな。

また一緒に食べたいな。



最後の1個を食べ終わり、
今度うちでもタコヤキパーティーをしてみようかなと考えながら店を後にした。




書いてたらどんどん長くなってしまいました。へへへ

次の写真はこれです。


海を越えて小原リカちゃんに
バトンを繋ぎます。えいっ。
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