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二人静

Category : 写真deリレー
こんばんは、後藤です。

ヒトカラで見たAKBの映像で、レインボーフラッグ(一色多い?)が大きく振られていて驚きました。

恋するフォーチュンクッキーでしたっけ?AKBなめてました。


さて、無茶ぶり写真シリーズ第四回です。本日のお題はこちらです。

fc2blog_20130930135008770.jpg






 昔から薄曇りが嫌いだった。

目に楽しい青空も、雨の様な気を静める風情も無い。

その癖上を見れば、眼の底を焼くような日の光が突き刺さる。
中途半端な湿気が、微温い水の匂いで鼻と肺を侵す。

粘り気のある薄膜が、頭にべったりと張り付いているような気がして、なおさら気持ちが悪い。
脳に生微温い水が貯まっていくようだった。

そうしてずぶり、ずぶりと気が沈んでいく。


 今日は朝からそういう日だった。

いつもと違う暇つぶしも特に無く、俺はこんな所でダラダラと時間を過ごしている。

初めてここに来た時からどれくらいになるだろうか。
名前は『サファリパーク』だったか、『サファリランド』だったか、関心が薄いからイマイチ覚えが悪い。

隣を見ると、相方は半開きのまぶたをどこかにに向けて身体から力を抜いていた。
つまらなそうではない。安らかに、休みを満喫していた。

俺もこんな天気でなければ悪く無い日だと思う。
珍しく何も無い日だ。反りの合わない連中と顔を突き合わせてギスギスする事も無い。

なにより側には、相方がいる。

しかし変化の少ない景色は見慣れてしまっている。今日はその上、大嫌いな薄曇りの光に照らされている。
緑の葉も白茶けた枯れ木も、なんだかモノクロだった。何もかもこの天気が悪い。


 彩度の低い景色をとろとろと進んでいると、俺達の横に見慣れた動物が現れた。

黒々とした毛を生やして、口を開くことはおろか殆ど顔の筋肉を動かさないでいる。何度も見ているが、鳴く事すら滅多にしない。
たまに口を開いたかと思うと、短い鳴き声を長々と繋げて鳴らし続けている。とにかく気味が悪い動物だった。

見るにつけ、この間抜けた顔の生き物がなんという名前で、どんな暮らしをしているのか色々な事が気になっていた。

「なあ、あのさ。」

俺は相方に声をかけてみた。気晴らしにもならないが、口でも動かさないと頭に水が貯まりそうだった。

「あの動物。何度見ても妙じゃないか?」

二言声をかけると、だらりと手足から力を抜いたまま、ようやくトロンとした目だけをこちらに寄越してきた。

「うん・・・ああ、僕も気にはなってるよ。よく見るしね。」

端正な口元が寝起きの生返事を寄越してきた。
見慣れているが、寝起きの顔だけはあまり見たくない。

男にしては妙に綺麗な毛髪に縁取られた切れ長の目。それが寝起きの顔から緩々と表情を形作っていく。
通った鼻筋の下、口の端が釣り上がる頃には、俺は目をそらしていた。

「本当に妙だぜ、あいつ。鳴き声にしろ、顔つきにしろ。なによりほら・・・。」

話している内に、隣のこいつの事で頭が埋まってくる。
いけない。そう思って、向こうの黒毛の不細工に意識を向けようとした。

「うん・・・?他に妙な所でもあったかい?」

意識の方向転換に集中していると、向こうから声をかけられた。

「なによりこんな所にいる。俺にはそれが一番、何だかなァ・・・。妙だ。」

「なんだい?僕には君が何を言いたいのか、いまいち分からないよ?」

「いやな、何かちょっとでも楽しそうに見えるか?ここにいてさ。」

ハッと、しくじったと思った。自虐か当てつけと取られたかもしれない。
少しでも気を抜くと、こいつに意識が向かってしまう。

軽く眉根を寄せている顔に向けて、慌てて取り繕う。

「いやすまん、あいつだ。俺が言ってるのは、あの黒い毛の。」

「分かっているよ。まあ、楽しそうな顔じゃあないよね。」

眉根が離れると、元の顔に戻って微笑んだ。だからそういう顔は向けるな。

「そうだろ?なのにああして、飽きもせずこの辺をウロチョロ・・・。おまけに滅多に鳴きもしねェ。」

「うん。あの動物が鳴いたり威嚇したりするような所は、僕も見たことないね。よっぽど安穏と生活しているんだろうね、あの動物は。」

「ま、食うには困ってないんだろうな。周りともギスギスしないで。なんていうか、ちょっと良いなあ、とか思っちまったよ。もうさ・・・」

今、あの生き物に生まれ変わっても良いかもしれねえ。

俺がそう言うと、相方は少し間をおいて宙を見ながら話し始めた。

「のんびりと草を食べているウシを見て、「ああ、ウシには生活の苦労がなくて幸福だなあ…。」なんて言ったらさ。ウシのほうは、「モウたくさんだ。」って言ってるかもしれないじゃないか。」


少し、こいつが何を言わんとしているのか、理解に時間がかかった。それはつまり・・・。


「生活に張りが無いってことか?」

「有り体に言ったらね。少なくとも僕らは集団の中で、自分の『居場所』というか『縄張り』をさ、確保するために頑張っている。そういう『生活の張り』がある。」

俺はふと、例の黒い毛の生き物を見た。珍しく口を開いて、あの短い鳴き声を長々と続けている。
光のない眼がこちらをじっと観ている。気味が悪くなって、相方に視線を戻す。

「じゃあ、それが無かったら・・・?」

「あの動物みたいになるかもね。鳴き声もあげない、表情も変わらない、黒々とするだけで光の無い目をした、ああいう生き物になるよ。だから・・・」

僕は羨ましくないよ。相方はそう言ってまたこっちを見る。

「それともさ」

途端、音もなく側に近づいて来る。顔から伝わる体温と吐息が、俺の耳に触れる。


「君は、僕をおいて、あんな物になってしまうのかい?」


擽るような、低い、絡みつく声で、そう囁かれた。


いつもその声音で俺を黙らせるのが、お前。

それっきり言葉以外でしかお前に伝えられなくなるのが、俺。




だから俺はいつも通り、この短い毛だらけの前脚でお前を・・・



--------


「あー・・・。就職も決まんねえのに、サファリパークなんか来て何してんだろうなあ。」

私こと眼が死んでる腐れ大学生は、日曜に予定も無く、わざわざ車を借りてマイカーサファリをしています。

「しっかし、あの黒い毛むくじゃらの二匹、いつ見ても仲良いなァ・・・。あーいいなあ、人間以外の動物は気楽でよォ・・・。お、こっち見た。」

私はしばらく床屋とご無沙汰な黒い髪を掻きながら、来世は貝かピスタチオかあの動物になりたいなあ・・・、などとブツブツ長々と呟きながらトロトロ車を走らせます。

「あれ、後ろからマウントポジション取ってる。おかしいな、あいつら両方共オスだったよなァ、確か・・・。」

(おわり)







自分がサファリパークの動物から見られたらこんな感じかなあと思って書きました。

正直書き終わってから「何やってんだ、俺・・・。(堤真一声)」という思いしか溢れてきません。でももうこれ以外思いつかないです。しーましェーン!!

草を食べてるウシ云々は、澁澤龍彦の言葉からの引用です。『来世は貝かピスタチオ』は、さよなら絶望先生からです。
なお、この動物二匹のキャラクターとしてのモデルは、去年やっていた某刑事アニメの黒い人と白い人です。お暇な方は関智一と櫻井孝宏で脳内再生してください。

次は豊島さんですよね。

次のお題はコレです。

810023931.jpg

妄想を膨らませやすそうな景色だと思うので、頑張ってください。
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