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【第31回】漫画とホームレス③

Category : 卒論日記
こんにちは

渡島です。

卒論日記も残すところ後2回となりました。

ゼミブログのエントリーも後、卒業に当たっての文章のみを残すところとなりました。

今、そのことを思うと感慨深い気持ちが、ちょっと暖かい冬の朝に吐く白い息みたいに出てきましたが、

その気持ちは卒業に当たってを書く時に取っておきたいと思います。



以下、卒論発表会について書かせていただきます。

まず、改めて、僕たち宮本ゼミ3期生の卒論発表会に参加して下さった全ての方に感謝の気持ちを伝えさせて頂きます。

本当にありがとうございました。

僕は自分の力だけで卒論を書いてきたような気になっていました。

でも卒論発表会を通じて、多くの人が力を貸してきてくれたからこそ、ここまでやって来られたのだなと感じました。

直前に大きな力を貸してくれたのは妹です。

妹に前日に発表の練習に付き合ってもらったことは今考えると大きなターニングポイントだったなと思います。

ありがとう。


発表会はゼミ生同士、気心の知れた者だけでの発表とは違った雰囲気で、

緊張感がありながらも楽しく、経験値の上がる一日になりました。




僕の発表順は最後でした。

発表の1時間前くらいから、もう緊張して緊張して手汗がボルビッグのように出ていました。

体の火照りも収まらなくて、冷えピタを張って発表しようかと本気で思うほどでした。


しかし、いざ始まってしまうと発表時間の15分はあっという間で、「俺の思いを聞いてくれ!」という、

何だかろっくんろーるな気持ちが自分の底にあることを感じつつ、するすると15分は過ぎていきました。


発表が終わると、

4期生ゼミ長のタズナ君から嬉しいコメントをもらえ、少しは発表をやった意味があったかなと思いました。

4期生副ゼミ長の湯澤君からも嬉しいメールをもらえ、その日は良く眠れました。ありがとうございます。




さて、ここから発表会で頂いた質問や、それに対する自分の答え、

そして、発表のスライドを作りながら、自分で薄々感じていた問題点などを踏まえ、卒論に加筆した、

あるいはしようと考えている点について書きたいと思います。


その前に

基本的な情報として

僕は、

                 漫画に描かれるホームレス者のイメージ
             
              継承されるパターン化された外見的特徴とその他の特徴


というテーマで、

「漫画に描かれるホームレス者のイメージはパターン化された外見的または、


その他の特徴から作られており、そのイメージのパターンは継承されている」

という仮説を証明することを目的に卒論を書き、

仮説を証明するための資料として、

長い期間のイメージの変化を探るために→単行本

最近のイメージの傾向を探るために→2012年の青年誌10誌2012年初号~最終号

という2つの資料群を用いたことを記しておきます。






では、質疑等で指摘していただいた点を基に、どのように加筆・修正をしたorするのかを以下に書きます。

Q1 

特徴がパターン化されていないが継承はされているとはどういったことなのか

A1 

これはとても重要なご質問で、分かったつもりで分かっていなかった部分を修正することができました。

僕は仮説で、「イメージのパターンは継承されている」と書いていますが、そもそも、パターン化と継承の範囲と基準が

曖昧でした。
   
よって卒論では、

「パターン化」の対象は近年以降(調査対象としては2001年以降の単行本作品と2012年青年誌10誌)とし、

ある一つの特徴がそれぞれの調査対象で30%以上の割合で使われている場合に、

近年においてその特徴は「パターン化している」と修正しました。

「継承」は、1960年代の作品・1970年代の作品と2001年以降の作品・2012年青年誌10誌、

それぞれで確認できたホームレス者の登場人物に、ある一つの特徴が20%を超えて使用されていた場合に、

その特徴は「継承されている」と修正しました。

よって、御質問への直接の答えに戻ると、「特徴がパターン化されていないが継承はされている」とは、

ある特徴が1960年代の作品・1970年代の作品と2001年以降の作品・2012年青年誌10誌、

それぞれで確認できたホームレス者の登場人物に、20%を超えて使用されていても、

近年以降(調査対象としては2001年以降の単行本作品と2012年青年誌10誌)で、

その特徴が、それぞれの調査対象で30%以上の割合で使われていないということです。

この曖昧だったパターン化と継承の範囲と基準を再設定したところ仮説に対する結論も変わりました。

発表の時点では仮説に対する結論は、漫画に描かれるホームレス者のイメージは外見的特徴よりも、

その他の性別・集団性・登場場所の特徴による部分が大きい、というものでした。

つまり、仮説の「漫画に描かれるホームレス者のイメージはパターン化された外見的または、

その他の特徴から作られている」という部分は正しくなく、

仮説の「イメージのパターンは継承されている」という部分は正しいが、

その特徴が使われている割合は少ないと結論付けていました。 


しかし、


この「パターン化」と「継承」の範囲と基準を再設定したことで、

結論は、「漫画に描かれるホームレス者のイメージは外見的特徴に加えて、その他の性別・集団性・登場場所などの特徴

が近年では重要な要素になっている」というものに変わりました。


つまり、


仮説の「漫画に描かれるホームレス者のイメージはパターン化された外見的または、

その他の特徴から作られている」という部分は正しく、仮説の「イメージのパターンは継承されている」という部分も

正しい。


ただし、


パターン化、継承どちらにおいても外見的特徴が与えられる割合は下がっている。と結論付けました。



Q2 

なぜプラスアルファとして外見的特徴を入れていないのか。

性別・集団性・登場場所という3要素に加えて外見的特徴も入れればより伝わりやすいはずだ。


という質問も頂いており、上記の修正後の結論を踏まえて答えると、

A2 

この結論付けの仕方は恣意的にすぎたと反省しています。だからこそ、このような御指摘を頂いたのだと思います。

なぜ恣意的に性別・集団性・登場場所という外見的特徴以外の、

その他の特徴の重要性を過大に強調してしまったかというと、

単純にその方が面白いと思ってしまったからです。申し訳ありません。

よって、指摘に対する直接の答えとしては、まったくその通りですと答えるしかありません。

外見的特徴とその他の特徴を実態に即したまとめ方に修正します。

このように発表を経て、仮説に対する結論が大きく変化しました。

今後の加筆・修正では、この新しい結論をより説得力にあるものしたいと考えています。


また、


Q3

登場の仕方のパターンについて。集団で出てきた場合には登場の仕方に傾向があるのではという御質問のように、

漫画に描かれるホームレス者の物語的特徴についても、

調査の結果としてそれが確かに存在していることが分かっているので、加筆したいと考えています。



以上が僕の卒論日記第3回です。読んで頂きありがとうございました。

卒論日記最後の更新は原田さんです。事情があって、次の日の更新になるかは分からないのですが、

きっといい文章を書いてくれると思いますのでお楽しみに!



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【第30回】光モノ。③

Category : 卒論日記
こんばんは。雪すごいですね。

雪のせいでバレンタインの話題はどこへやらって感じです。雪のおかげでバレンタインをさほど意識せずに1日を過ごせた、とも言い換えられえますが。



まぁとりあえず本題の卒論日記に話題を移しましょう。



私の卒論のタイトルは「今日のライブ会場で見られる客席での光モノの使用の起源と普及のきっかけは何か」です。簡単に言うとペンライトやサイリュームについて調べています。
よく、アイドルやアニソン系のライブだとファンの方々が光る何かを振りながら頑張って応援してるじゃないですか。あれです。ああいったライブ会場での光モノを使用しながらの応援は国内ではいつ始まって、どうやってその習慣が広まっていったんだろう、っていうのが研究テーマでした。「起源」と「きっかけ」、この2つが私の卒論の2本柱です。




仮説ですが、起源については「1974年に大阪球場で開催された西城秀樹のライブが、客席で光モノを使用した国内初の事例である」としました。きっかけに関しては思い当たることが多すぎてなかなか簡潔にまとめることが出来なかったので敢えて仮説は立てずに調査を開始しましたが、事前の下調べで1970年代~2000年代の間に何かありそうだなということを感じてはいたのでそれを意識しつつ調査を行いました。

調査の過程は卒論の目次を見ていただいた方がはやいかと思うので以下に貼り付けます↓


目次
第1章 はじめに

第2章 光モノの誕生と日本に入ってきた経緯
    2-1.サイリューム
        2-1-1.誕生と普及
        2-1-2.日本での普及
    2-2.ペンライト
        2-2-1.乾電池の歴史
        2-2-2.懐中電灯の歴史
        2-2-3.ペンライトの誕生

第3章 光モノがライブ会場等で使用されだした時期の調査
    3-1.芸能誌
        3-1-1.『月刊平凡』
        3-1-2.『近代映画』
        3-1-3.『月刊明星』
        3-1-4.通販広告ページ
    3-2.芸能以外の雑誌
    3-3.新聞
    
第4章 光モノの製造・販売業者の方へのインタビュー
    4-1.株式会社ルミカ
    4-2.ターンオン有限会社
    4-3.インタビューまとめ

第5章 まとめ


多少順序は前後しますがこんな感じで調査を進めてきました。

で、結論なんですが、雑誌の調査で1974年の資料は見つからなかったものの、国内においては西城さんのライブでいちはやく光モノの使用が浸透していたことは確かであるということがわかりました。
きっかけに関しては予想通りかなり要因が複雑そうだということがわかりましたが、現時点では「ジャニーズの影響が大きそう」だということ、そして「光モノの需要は2000年以降に急増している」ということがわかりました。仮説の段階で1970~2000年の間に何かあると睨んでいた私の予想はズレていたという結果になりました。




卒論発表会を終えてからは以前にも増して頻繁にYouTubeを観てます。
暇な時間を見つけては70年代~00年代のアイドルのライブ映像を中心に動画を漁り、客席に光モノが無いかどうかを確認する日々です。ついついステージに目がいって本来の目的を忘れることもしばしばですが…

発表会の時点では動画の調査について触れていませんでしたが、卒論集に載せていただくときには動画についての項目も追加できるように現在加筆作業を行っています。間に合うように頑張ります。



以上が石田の卒論日記でした。

お次は原田さんです。よろしくお願いしますm(__)m

【第29回】ハローキティ③

Category : 卒論日記
こんばんは、ジョコウです。
いよいよ、卒論日記の最終回を迎えました。

まず、この場を借りて、わざわざ卒論発表会に来てくださったサンリオファンの方に、お詫びとお礼を申し上げます。

①時間大幅にオーバーしてしまって、最後上手くまとめられなくて、がっかりさせて申し訳ございません。
②話す日本語、書く日本語両方下手で、伝えたいことが伝わらなくて、発表では聞きづらい箇所があり申し訳ございませんでした。
③わざわざ来て頂いて、ありがとうございました。
そして、ものすごく丁寧にブログにまとめてくださって、誠に有難く存じます。

残り僅かですが、期待を裏切らないように頑張りたいと思っています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

それでは、卒論日記のまとめに入りたいと思います。

テーマ:「世界中にハローするキティちゃんーその人気の理由は何かー」


1.概要

・問題提起
 ①「なぜハローキティは世界中の人に愛されているのか」
 ②「人はハローキティに何を求めるのか」

・仮説
①ハローキティのセールスポイントは無表情や無口だけではない。ピンク色とリボン、その2つの要素がキティグッズに大きな影響を持っている。
②ハローキティはファンにとって、一緒に成長してきた仲間のような存在である。そして、いつも新しいデザインに挑戦するキティちゃんから勇気と自信がもらえる。

・この2つの仮説を第一章から第六章まで検証していきたいと思います。
 第一章では、サンリオの歴史と概要について。また、サンリオキャラクターの特徴と共通点、そしてサンリオキャラクター大賞について。
 第二章では、ハローキティの「波瀾万丈」の「人生」、つまり歴史について。(年代別で)
 第三章では、ハローキティとサンリオの他のキャラクターとの比較から見るキティの人気の理由について。
 第四章では、サンリオのブランド管理から見るハローキティが世界中に愛されている理由について。
 第五章では、デザイナーの山口裕子から見るハローキティが成功した理由について。
 第六章では、人はハローキティに何を求めるのかについて。
 第七章では、以上の6つの章をふまえて、様々な学説や検証とその結果を紹介し、最後にまとめ、考察していく。


2.変更
比較対象を「ポチャッコ」から「ポムポムプリン」に変更しました。
理由は前回の卒論日記に書いたよう、ポチャッコに関する資料が少なかったからです。
また、調べた結果、1996年に生まれたポムポムプリンは、翌年の1997年のサンリオキャラクター大賞でいきなり1位を獲得し、その後1998年から2001年まで、4年連続3位を獲得し、かなり人気があることが分かりました。
更に、白、ピンク、パステルカラーが多く使われているサンリオのキャラクターの中に、プリンは珍しく、明るい黄色いを用いているので、「ピンク色で人気復活したキティ」とも比べられると考えて、比較対象をプリンに変えました。


3.反省
卒論発表会で、先生に「『人はハローキティに何を求めるのか』についての答えは、相原さんの書いた物と同じではないか」と聞かれましたが、
当時、自分は、「相原さんが書いたのは全般(全体)のキャラクターのこと、そしてキティに当てはめると、こういう効果が得られます」と答えました。
しかし、振り返って考えると、確かに重なっている部分があります。
例えば、
相原さんの「安らぎ」→キティの「癒し」
「現実逃避」と「幼年回帰」→キティの「母性本能」と「幼児性に逃げ込む傾向」
「存在確認」と「変身願望」→キティの「グッズをつけて自己アピール」
など。
確かに、どう考えてもキティから得られる効能は、他のキャラクターからも得られます。
キティならではの物は何なのかを、改めて考える必要があると思っています。
また、この大事な章を、どうやってわかりやすく、相原さんの研究と自分の意見を分けて書くのかを考えています。



わたしからは以上となります。


正直、どんどん自信がなくなっていて、今すごくプレッシャーを感じています。


もしこの論文を私の母国で発表すると、絶対誰にも気付かれず、興味さえ持たれないと思います。
絶対幼稚とかつまらないとか意義ないとか言われると思います。
でも、今回の発表会を終えて、そしてohtakeさんのブログを見たら、
改めて、さすがキャラクター文化を大事にしている日本だなと感じました。


とにかく、残りの時間、出来る限り頑張りたいと思います。


お次は、石田さんです。

宜しくお願いいたします。

【第28回】少年合唱団③

Category : 卒論日記
卒論発表会お疲れ様でした。
聴いてくださった方、質問して下さった方、情報下さった方、記録して下さった方、皆様ありがとうございました。
改めて、卒論とは私達の学年のゼミの枠を越えて発信されるものなんだなと実感して、気が引き締まりました。

* * *

さて、そんな私の卒論テーマはこちらです。

「日本において、海外の「少年合唱団」はどの様に受容されているのか―1964年の「ウィーン少年合唱団」と2005年~2006年の「LIBERA」を中心に―」
地味に変わりました。

調査過程等は過去のエントリ「少年合唱団」「少年合唱団②」をご参考くださいませ。


卒論日記まとめの前に、
卒論発表会の時に「リベラってこんなグループです」とご紹介したら、初めて知りましたという方も多かったみたいなので、
発表会でも使用した動画を貼っておきます。
ちょっとあれれな紹介もあるのですが、概ねどんな活躍をしているのかご理解いただけるかと思います。

Japan Interview 2012 」(Youtubeから)

下は自分でまとめた、リベラの日本メディアでの主な楽曲登場年表です。
【少年合唱団】リベラ年表

動画任せでだめだめですが、どんなグループか把握していないとなかなか興味も持って頂けないかなと思うので、よろしければご覧くださいませ。


* * *

前回のエントリから少し内容が変わりましたので、ちょっとご説明いたします。

◎第一章では先行研究、仮説について。
◎第二章では、本論で扱う「少年合唱団」について説明。
◎第三章で、海外の「少年合唱団」はどの様に日本に入ってきたのか、文献をもとにした調査、考察、まとめ。
◎第四章で何を要因に話題を集めたのか、要因になった作品等を、雑誌など文献をもとにした調査、考察。
◎第五章で話題を集めた際、どの様な日本の雑誌に載ったのかを調査し、分析。
◎第六章で過去と現在では、受容のされ方に違いはあるのか、第二章から第五章までをもとに、過去と現在にはどの様な違いがあるのかを比較分析。

以上、第二章から第五章を調べる事により、「日本において、海外の『少年合唱団』はどの様に受容されているのか」を論じます。

大きく変わった点としては、全体の構成と、最終的に分析対象を雑誌に絞ったことです。
また、『合唱界』は調査対象から泣く泣く外しました…。



さて、こちらも少し変化しまして、私の卒論における仮説は以下の通りです。

●海外の「少年合唱団」が注目され、日本で受容される時に一つの流れがあるというのではないか。
まず、映画やTVドラマ等、映像系メディアが話題を集める要因になりやすいのではないか。
→その後、雑誌等、紙のメディアがファンに「少年合唱団」の情報を提供する大きな存在になるのではないか。
→しかし、それは過去と現在では違いがあるのではないか。
●その理由として、クラシック独特の、アーティストの姿の見えにくさが関係しているのではないか。

そして結論はまだかっちり言葉に出来ていないのですが、
●姿が見えないクラシック音楽だからこそ、まず音楽から耳に入り、そして次にどんな人が歌っているのか興味を持つ。
その情報収集として、インターネットが普及した現在(リベラ)はインターネットがベースに、普及する前(ウィーン少年合唱団)は雑誌をベースに情報が掲載されたと考えられる。

という感じです。


第三章、第四章は先行研究を数字で確認する作業だったのですが、先行研究に沿った調査結果を見ることが出来ました。
また、私の卒論でオリジナリティを出せる部分である予定の第五章は、推移調査対象に設定した『週刊少女フレンド』『CHOPIN』を無事まとめることが出来ました。
ただ、発表会でご指摘いただいたとおり、「その他の雑誌」を見るために私が利用した検索データベースは、漫画雑誌を除いた結果しか見られなかったので、漫画雑誌を除く一般雑誌における掲載内容のまとめとなっております。
第六章も、インターネット世帯利用率の推移から、仮定を裏付ける結果を見ることが出来ました。


先生に指摘していただいたことや、発表会の時に指摘していただいたことを組み込んで、最後まで書き上げていきたいと思います。


* * *

お次は、「ハローキティ」のけいちゃんお願いしますー!


* * *

おまけ

▼「SEMPITERNA」(YOUTUBEから)
ポップで明るいサウンドとはまた違った感じの楽曲も歌っています。

▼*PENTATONIX* - PTXMAS - "CAROL OF THE BELLS" [LYRICS]
前回のエントリでご紹介したリベラのクリスマスソングを、PENTATONIXというアカペラグループがカバーしていると、4期生の菊池さんが教えてくれました。
聴き比べても楽しいかと思います。とってもステキです!!!

【第27回】「百合」と男性③

Category : 卒論日記
 こんにちは、後藤です。

 卒論日記も最終ラウンドですね。自分で決めたテーマとは言え、自分で自分にタオルを投げてしまいそうです。

 卒論発表会では、藤本由香里先生からも質問をいただくという(ちょっと予想はしていたけれど)驚きの事態に膝が笑ってしまいました。




 私は『「百合」を読む日本人男性の性意識変化の実例と実証』という題で、「百合」の男性読者による受容をお主な調査対象としていました。

 結論から書きますと、

 一、明確に「百合」として描かれる場合には「関係性の掘り下げ」」が重要視される傾向にあること
 二、「男性性」「男の視線」など、男性的な要素に対して漠然とした忌避があること
 三、同一化は少数傾向であること

が分かりました。

この結論の詳細として前回の卒論日記からの進展として

 ①mixiコミュニティに於ける男性読者と判断される書き込みの分析:「百合」を読む男性の分類と傾向の把握

 ②専門誌に於ける男性の「百合」著作分析:男性による著作の特徴を調べる

の二点をお話しいたします。


 ①mixiコミュニティに於ける男性読者と判断される書き込みの分析

 mixiにある「百合ヲタちょっと来なさいよ!」というコミュニティを調査対象としていました。登録者数5907人のmixi最大の「百合」コミュニティです。
 ここから男性の物と判断される(プロフィールで男性と表記されている、書き込みで性別を明かしている)書き込みを調査の対象としました。書き込みの中では、「好む作品の傾向」、「百合」に対する定義・価値観を主な分析対象としました。

 ここでの分析結果として、「百合」を読む男性が以下の様に分類されます。

 1.第三者視点:作中人物に自己投影せずに読む場合
  
  1-1.「キャラ萌え」タイプ:「百合」としての関係性よりも、2人(以上)の女の子に同時に「萌える」事を目的とするタイプ。
「百合」専門誌掲載作品よりも、「日常系」作品などを「男が不在のハーレム」として楽しむ傾向にある。
「百合」としてのキャラ同士の関係性に対する関心は小さい。関係性そのものではなく、1人1人のキャラに対して「恋してるこの子可愛い!」という視点と思われる。
  
  1-2.「関係性萌え」タイプ:「百合」としての関係性そのものに萌えるタイプ。
「百合」専門誌掲載作品を好む傾向にある。
また、専門誌以外の明確に「百合」とされない作品に対して、恋愛関係を補完して読む場合が派生する(やおいタイプ)。
 
 2.同一化タイプ:作中人物に自己投影して読む場合
作品は「百合」専門誌を好む傾向にある。関係性に対する関心が大きいが、(自身を投影するキャラとは別の)キャラへの「萌え」もある。
このタイプに対しては、読者の「男性性」に対する価値観が分類の鍵と考える。
・(マチズモ的な)男性性に対して、中立的(あるいは無関心?)であれば、作中の「女性」キャラクターへの自己投影は、「ヒーリングと異性化シュミレーション」[永山薫 『エロマンガ・スタディーズ』p.225]が伴い、これに伴う快楽を求めると考えられる(なお、この女性に対する自己投影を「ヒーリングと異性化シュミレーション」としたのは、エロ漫画に対する男性の視点を解説した時のもの)。
・否定的であれば、上の様なヒーリングとシュミレーションの他、女性化願望も考えられ得る。

 以上の読者分析に於いて、何れのタイプも「百合」の定義に共通項を持つ傾向にある。また、ポルノとしての性描写を含む場合を、「百合」に含まない事が多い。
 これは、「ポルノを観る」という視線が「男性性」を想起させるために、いずれのタイプでも忌避される傾向があると考えられる。
 今回「萌え」の定義を借用した永山薫の著作によれば、「(萌えには)欲望に煙幕が張られ、曖昧にされ、韜晦される。「萌え」の根底には性(性的な欲望やエロティシズムとその表現)に対する漠然としたフォビアがあることが見て取れる」[永山薫 『エロマンガ・スタディーズ』]とあり、「百合」に対する「萌え」もこの傾向にあると考えられる。
②専門誌に於ける男性の「百合」著作分析

 宇河弘樹『二輪乃花』(芳文社2012年)
 玄鉄絢『星川銀座四丁目』(芳文社2010年-2013年)
 藤枝雅『飴色紅茶館歓談』(一迅社2009年-2011年)
 吉富昭仁『ふたりとふたり』(一迅社2010年) 

の4作を分析対象としました。選定基準は「百合」専門誌に掲載された事、連載であった事、男性による著作であることです。

 サンプル数が少なく「男性」著者の傾向を把握するには証拠能力が弱いですが、全作品で「関係性の掘り下げ」が共通していました。
また、ポルノとしての性描写はほとんどありません。特に、性描写の「視点」が一人称となって、作中人物一人の性描写を強調する事は皆無でした。
 作中人物の性役割も流動的であり、行動の積極性・受動性を持つ人物が固定的になる事はありませんでした。この事から、明確に「百合」として描かれる場合には、「関係性」と「ポルノ要素の排除」は、男性作者にとっても「百合」の重要な要素であると考えられます。そのため①の1-2や2のタイプでは、関係性が重要視される「百合」専門誌掲載作品が好まれる傾向にあると思われます。
 性役割の流動性については、男女のカップルを女性同士に置き換えて「男」を排除するため(第三者視点から2人同時に萌える「キャラ萌え」タイプ)ではなく、「関係性」の掘り下げの中で、対等である事を強調するためと考えられます。
これを言い換えれば、「男と女」という組み合わせに不平等性を感じている(或いはマチズモに対する忌避)とも取れます。




 以上が現時点での私の卒論での結論となっています。当初は一人一人の読者を心理学的に分析しようと計画していましたが、それでは全体的な「傾向」が把握できません。これは藤本由香里先生から、質問とは別に発表後にご指摘を頂いた点です。

 また、発表時の失敗としてササキバラ・ゴウと熊田一雄の意見を比較して提示しましたが、ササキバラ・ゴウの「フェミニスト的偽装」は「百合」に対しての分析ではありません。「フェミニスト的偽装」をする男性が80年代から出現し始めた、というササキバラ・ゴウの意見に対して、熊田一雄が「「百合」を読む男性はその限りではない」と、著作の中で述べていました。
 私のスライドの見せ方では、ササキバラ・ゴウが「百合」を読む男性に対して言及したように見えてしまったかも知れませんが、その場合は誤解をお招きしたことをお詫び申し上げます。

 今後の卒論集発行に向けては、上の読者分類をmixiの書き込みを元に再度考察し、更に細かい分類が可能であるかを再検討します。また発表の時のように、私の論を補強するために恣意的な引用(もしくはそう取れる書き方)をしていないか、注意深く編集するよう努めます。

 研究を始めた当初、ジェンダー論という繊細な領域に片足を突っ込んだつもりが、腰まで浸かっていました。
 考えれば考える程繊細で多様で、自分のちっぽけな主観で「分類」という行為に及ぶのはおこがましいと思い、筆が止まることが何度もありました。振り撒いた迷惑については後悔しきれません。
 しかし発表の際に、「面白い」「修士でも続けて欲しい」という感想までいただき、驚くとともに気持ちを新たにすることが出来ました。ここまで来てしまったからには、覚悟を決めて自分が納得できる結論と証拠を書き切ろうと思います。気を引き締めて、最後の仕上げに臨みます。

 次回は「少年合唱団」の中尾さんです。よろしくお願いします。
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